オーバーロック縫い方・ロックミシンの基本と種類を完全解説

オーバーロックの縫い方・ロックミシンの基本を徹底解説

ロックミシンなしのジグザグ縫いで代用してきたが、実は洗濯20回でほつれが出始めることがある。

🧵 この記事でわかること
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オーバーロックとは何か?

ロックミシンで布端をメスでカットしながら糸でくるむ縫い方。ほつれを防ぐだけでなく、縫い代に厚みが出ないのが特徴です。

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糸の本数と縫い方の種類

2本糸〜4本糸まであり、布帛かニットかによって最適な糸本数が異なります。選び方を間違えると縫い目の強度が落ちます。

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差動機能と糸始末のコツ

ニット生地は差動レバーを1.5〜2に設定しないと生地が伸びてしまいます。空環(からかん)の正しい始末方法も解説します。


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オーバーロック縫い方の基本とロックミシンの役割

オーバーロックとは、生地の裁ち目がほどけないよう、布端を糸でくるみながら縫う縫製技術のことです。ロックミシン(オーバーロックミシン)を使い、布端をメス(刃)でわずかにカットしながら整えつつ、3〜4本の糸で包み込むように縫っていきます。

家庭用ミシンでも「ジグザグ縫い」や「裁ち目かがり」でほつれ止めはできます。しかしオーバーロックと最も大きく異なるのは、メスで布端を切り揃えながら同時に縫えるという点です。これにより、仕上がりが既製品のようにきれいに整い、縫い代の厚みも最小限に抑えられます。

布を折り返して縫う三つ折り始末と比べると、オーバーロックは折り返し分の厚みがゼロ。薄地のスカートや子ども服など、できるだけシルエットをすっきりさせたいアイテムに特に向いています。

つまりオーバーロックは、仕上がりの美しさと強度を同時に実現する縫い方です。

ロックミシンには大きく分けて「かがり縫い(端の始末)」と「縫い合わせ」の2つの機能があります。初心者は「かがり縫いだけができればいい」と思いがちですが、ロックミシン1台でニットの縫い合わせまでこなせる機種を選ぶと、Tシャツやカットソーなど伸縮素材の服作りまで一気に対応できるようになります。

ベビーロック「はじめてのロックミシン基礎知識」— ロックミシンの種類・できることを写真付きで詳しく解説

オーバーロック縫い方の種類と糸の本数の選び方

ロックミシンには「1本針2本糸」「1本針3本糸」「2本針4本糸」といった複数の仕様があります。この違いを知らずに購入・使用すると、縫い目の強度が不足したり、生地に合わない仕上がりになることがあります。

それぞれの特徴を整理すると以下のとおりです。

糸の本数 主な用途 向いている生地
1本針2本糸 端かがりのみ 薄地の布帛
1本針3本糸 端かがり・薄〜中厚地の縫い合わせ 布帛全般・薄手ニット
2本針4本糸 縫い合わせ+端かがりを同時に ニット・ストレッチ素材全般

布帛(フハク)とは、縦糸と横糸を交互に織って作る生地の総称で、コットンシャツ地・デニム・麻などが該当します。伸び縮みしにくいため、1本針3本糸で十分に対応できます。

一方ニットは、糸をループ状に編んで作られるため、横に引っ張るとよく伸びます。薄手のニットなら1本針3本糸でも縫い合わせが可能ですが、パーカーやスウェットのような厚手ニット、または首回りや袖口など伸縮が激しい箇所は、2本針4本糸のオーバーロックでないと縫い目が裂けやすくなります。

2本針4本糸は強度があるだけでなく、針を1本外すことで1本針3本糸にも切り替えられます。これが条件です。

最初の1台を選ぶなら、2本針4本糸対応機が長い目で見てコストパフォーマンスが高いといえます。ベビーロック「糸取物語」シリーズ(実売3万円台〜)や、JUKI「MO-345DC」(実売3万円前後)は、自動糸調子機能付きで初心者にも扱いやすいモデルです。

ミシンショップ「ロックミシンの失敗しない選び方」— 糸の本数ごとの違いと購入前の注意点を解説

オーバーロック縫い方の基本手順とかがり縫いのコツ

実際にロックミシンでオーバーロックをかける手順を確認しましょう。基本の流れをつかめれば、最初の1枚目から安定した縫い目が出せます。

まず糸をかけます。ロックミシンは糸が3〜4本あり、ルーパー(内部の糸案内部品)へのかけ方が普通のミシンより複雑です。説明書の番号順に沿ってかければ問題ありませんが、最近の機種は「自動エア糸通し」対応のものも多く、初心者に特におすすめです。糸をかけ終わったら、必ず試し縫いをして糸調子を確認します。

縫い始める前に「空環(からかん)」を5〜7cmほど手前に引き出しておきましょう。これが縫い始めの糸のほつれ防止になります。

  • 生地の表を上にして押さえ金の下に差し込む: ロックミシンは「表(見える方)を上・裏(見えない方)を下」にして縫うのが基本です。ハンドメイド初心者が逆にしてしまうケースが多いので注意しましょう。
  • 布端を右側のガイドに合わせる: 押さえ金の右側にある「カッターガイド」に布端を合わせながら縫うと、均一な幅でカット&かがりができます。
  • 無理に引っ張らない: 生地は自然に送り歯(おくりば)で送られます。前後に引っ張ると縫い目が乱れる原因になります。
  • 縫い終わりは2〜3cm空縫い: 生地を縫い終えたあと、そのままミシンを2〜3cm空縫いして空環を作り、生地を取り外します。

かがり縫いが目的の場合(縫い代の端を処理するだけ)は、生地端を少量(1〜2mm程度)だけメスにかかるよう送ると、生地を削りすぎるリスクを減らせます。これは使えそうです。

一方、ニットの縫い合わせを同時に行う場合は、2枚の生地を表側を合わせて重ね、縫い代(一般的に1cm)を右のガイドに合わせながら縫い進めます。この場合は端かがりと縫い合わせが1工程で完了するので、仕上がりが非常にスピーディーです。

オーバーロック縫い方の角の処理と糸始末(空環)の方法

ロックミシンで角を縫う場面は、ポーチの周囲をぐるりとかがるときや、ランチョンマットの端処理などでよく出てきます。通常、直角の角では一度ミシンを止めて向きを変える必要があります。

角の縫い方の手順は次のとおりです。

  1. 角の手前まで縫い進め、針を下げた状態で押さえを上げる
  2. 生地を回転させて次の辺を合わせる
  3. 押さえを下ろし、そのまま縫い続ける

この「針を下げてから回転」というのがポイントです。針が上がったままで回転させると、生地がズレてしまい縫い目が乱れます。1手順だけ覚えておけばOKです。

四角い布(ランチョンマットなど)を4辺ぐるっとかがる場合も、4回に分けて作業するのではなく、角ごとにこの手順を繰り返すことで1周続けて縫い通すことができます。角を4回分けて縫うと、それぞれに糸始末が必要になって手間が4倍かかります。1周つなげるとぐっと作業が楽になります。

次に糸始末(空環の処理)について解説します。縫い終わりに残る「空環」をそのままカットするだけでは、洗濯や使用中にほつれてくる場合があります。

正しい始末方法は「とじ針に空環を通し、縫い目の中に2〜3cm引き込む」やり方です。具体的には以下の流れになります。

  • 🪡 空環を根元からしごいて細くする
  • 🪡 とじ針の穴に空環を通す(穴が大きめの20号とじ針がおすすめ)
  • 🪡 縫い目の裏側に針を通し、2〜3cm奥に空環を引き込む
  • 🪡 余分な空環をカットして完成

縫い合わせ箇所は「2枚の生地の間」に空環を引き込むと、表からはまったく見えなくなります。とじ針はベビーロック公式ショップや手芸店で100〜200円程度で手に入ります。

巻きロックのような縫い目幅1.5mmの細い縫い目には、細めの20号とじ針を使うとスムーズです。糸通しが難しい場合はベビーロックのミシン付属「ルーパースレッダー」を活用するのも手です。

ベビーロック公式「空環の糸始末」— とじ針を使った具体的な手順を写真付きで解説

オーバーロック縫い方でニットを縫う:差動機能の使い方

Tシャツやカットソーなどニット素材のオーバーロック縫いで、初心者が最もつまずくのが「生地が伸びてしまう」問題です。差動機能(さどうきのう)を使えばこれを防げます。知らないと損する機能です。

差動機能とは、生地を送る2つの送り歯の速度差を調節し、生地を縮めながら縫うか・伸ばしながら縫うかを切り替える機能です。ロックミシン本体の右側についているレバー(またはダイヤル)で設定します。

設定値の目安はこちらです。

差動設定 効果 向いている場面
N(ニュートラル) 差動なし 布帛の端かがり
1.5〜2(縮め縫い) 生地が伸びにくい ニット・ストレッチの縫い合わせ
0.6〜0.8(伸ばし縫い) 縫い縮みを防ぐ サテン・ジョーゼットなど縮みやすい生地

差動をNのまま(設定なし)でニット生地を縫うと、縫い上がりが「びろんびろん」に伸びてしまいます。これは縫い目によって生地が引っ張られる構造上、避けられません。差動1.5〜2に設定するだけで、縫い目がきれいにフラットに仕上がります。

また、差動機能の「縮め縫い」は、ギャザー寄せにも応用できます。ブロードなどの普通地に差動レバー2をかけて縫うと、自然にギャザーがよります。別で大きい粗ミシンを縫ってギャザーを手動で寄せる工程を省けるので、時短になります。

差動機能が付いているか確認するには、本体右側に数字が書かれたレバーやダイヤルがあるかを見ます。ニットソーイングを予定しているなら、差動機能付きの機種が必須です。

ソーイングスクエア「ロックミシンの使い方 ~差動ってなに?」— 差動なし・差動ありの縫い目の比較写真あり

オーバーロック縫い方:巻きロックや飾り縫いへの応用テクニック

オーバーロックの縫い方はかがり縫いと縫い合わせだけにとどまりません。設定や糸を変えることで、仕上がりに個性が出る「飾り縫い」として活用することもできます。

代表的な応用技として「巻きロック(まきろっく)」があります。巻きロックとは、縫い幅を約1.5mm(クレジットカードの角の丸みほどの細さ)に絞り、布端をきゅっと巻き込むように仕上げる縫い方です。ガーゼハンカチやスカーフの縁、フリルの端処理などに使われ、既製品の高級感を出せます。

巻きロックをきれいに仕上げるポイントは、上ルーパー糸に「ウーリー糸」を使うことです。ウーリー糸とは、細い繊維が絡み合ったふわっとした糸で、縫い目が密に詰まって表面がなめらかに見えます。他の2本(下ルーパー糸・針糸)には通常のロックミシン用糸を使えば問題ありません。ウーリー糸はほとんどの手芸店で1本200〜400円程度で購入できます。

もう一つの応用が「ウェーブロック」です。これはベビーロックの一部機種だけが縫える特殊な縫い目で、縫い目が波模様になるのが特徴です。ラメ糸やウーリー糸を組み合わせると、子ども服や布小物のワンポイントになります。同色の糸で縫うと上品なさりげないアクセントになり、異色の糸で縫うとポップな印象を演出できます。

飾り縫いの醍醐味は、縫い方は同じでも糸の種類や色を変えるだけで全く違う表情になるところです。いいことですね。

応用テクニックを試す前に確認したいのが「糸調子(いとちょうし)」の設定です。ウーリー糸や装飾糸を使う場合、通常の糸調子とは異なる設定が必要なことがあります。必ず余り布で試し縫いをしてから本番に臨むのが基本です。

特に巻きロックで縫い目がきれいに丸まらない場合は、上ルーパーの糸調子をやや緩めにするとうまくいくことが多いです。試し縫いが条件です。

ベビーロック「ロックミシンの種類と縫い目の種類」— かがり縫い・巻きロック・ウェーブロックの違いを詳しく解説