本縫い手縫いの基本と本返し縫いをきれいに仕上げるコツ

本縫い・手縫いの基本から本返し縫いのやり方まで

手縫いなのに、ミシンより縫い目の強度が高くなることがあります。

この記事のポイント
🧵

本縫いと手縫いの関係

「本縫い」はミシンの縫い方の種類を指す場合と、しっかり縫い合わせる手縫い技法の総称としても使われます。本返し縫いはその代表格です。

💪

本返し縫いの強度

手縫いの中で最も強度が高い縫い方が「本返し縫い」。1針孔に2本の糸が交差して通るため、ミシンと同等以上の強度になることもあります。

📌

使い分けが大事

強度の順は「本返し縫い>半返し縫い>並縫い」。素材や目的に合わせて使い分けることで、仕上がりの品質が大きく変わります。


<% index %>

本縫いと手縫いの違い:本返し縫いが基本中の基本

 

「本縫い」と「手縫い」は別物のように聞こえますが、実はつながりのある概念です。「本縫い」とはもともとミシンの縫い方の一種を指す言葉で、上糸と下糸がループ状に絡み合う基本的な縫い方のことです。一方で「手縫い」の文脈では、本格的にしっかり縫う技法として「本返し縫い」がその代名詞になっています。

本返し縫いは、小学5年生の家庭科で最初に学ぶ手縫い技法のひとつです。「習ったけど忘れた」という方が多いかもしれませんが、実は大人になってからこそ役に立つ場面が多い技法です。ズボンのほつれ直し、鞄の持ち手の補強、子どものランドセルの修繕など、ちょっとした生活の場面で何度でも活躍します。

手縫いの縫い方には主に以下の種類があります。

縫い方 特徴 強度
並縫い(なみ縫い) 最も基本。布表裏を交互にすくう ★☆☆
半返し縫い 半針戻りながら進む。伸縮性あり ★★☆
本返し縫い 1針分戻りながら進む。ミシン目と同じ見た目 ★★★

つまり本返し縫いが基本です。手縫いで何かを「丈夫に」仕上げたいとき、この一択と覚えておけばOKです。

参考:手縫いの縫い方の種類と基本をわかりやすく解説しているKAI LIFE

手縫いの縫い方の種類11選!覚えておきたい基本を紹介! | KAI LIFE

本返し縫いのやり方:手縫いで強度を上げる手順を図解

本返し縫いの手順は、一度覚えてしまえばシンプルです。ポイントは「1針分戻って、2針分進む」というリズムを守ることです。

🪡 用意するもの

  • 手縫い針(普通地用)
  • 手縫い糸(縫いたい長さの3倍以上を用意)
  • チャコペン(まっすぐ縫いたいときに補助線として使う)
  • はさみ

📋 本返し縫いの手順

  1. 糸の端に玉結びをする
  2. 布の裏側から表側へ針を刺し、糸を引き出す
  3. 刺した点から「1針分」右(縫い始め方向)へ戻し、表から針を刺す
  4. 裏から2針分進んだ位置へ針を出す
  5. また1針分戻って刺す、2針分進んで出す、を繰り返す
  6. 縫い終わりは裏側で玉止めをする

糸を3倍以上用意するのは必須です。なみ縫いと同じ感覚で糸を切ると、途中で足りなくなってしまいます。縫う長さが10cm(はがきの横幅くらい)なら、最低でも30cm以上の糸を準備しておきましょう。

縫い目の間隔は5〜8mm程度を目安にするとバランスよく仕上がります。これは、5mmが親指の爪の幅のおよそ半分ほどの長さです。最初はチャコペンで線を引いておくと、針を刺す位置がブレません。これは使えそうです。

参考:本返し縫いの詳しいやり方と写真解説

本返し縫い手縫いをきれいに仕上げるコツ:失敗しやすい3つのポイント

本返し縫いは、手順自体はシンプルです。ただ、実際に縫ってみると「縫い目がガタガタになった」「布がシワになった」という失敗が起きやすいです。これは主に3つのミスが原因です。

① 糸をきつく引っ張りすぎる

なみ縫いは多少引っ張りすぎても「しごけば」直りますが、本返し縫いはそれができません。縫い目が密になっているため、一度布にシワが寄ると修正が難しくなります。糸を引いたとき、布がわずかにたゆむ程度の力加減を意識しましょう。糸の引き加減が条件です。

② 針を刺す位置がズレる

本返し縫いでは「戻る位置(刺す点)」と「進む位置(出す点)」の2か所が常に一直線上にある必要があります。どちらかがズレると、表側の縫い目がジグザグになってしまいます。慣れないうちはチャコペンで縫い線を引いてから縫い始めるのが確実です。

③ 縫い目に隙間が生まれる

本返し縫いのゴールは「ミシン目のように縫い目が詰まって見える状態」です。針を戻すとき、前の縫い目の「端にぴったり」刺すことで隙間がなくなります。少しでもズレると、なみ縫いとほとんど変わらない仕上がりになってしまいます。縫い目の間が空かないようにすれば大丈夫です。

参考:本返し縫いをきれいに仕上げるポイントをまとめた専門記事

5分でわかる!上手な本返し縫いを完成させるやり方

本縫い・手縫いの使い分け:素材別に本返し縫いを選ぶ基準

本返し縫いは万能ではありません。素材を間違えると、せっかく丈夫に縫っても糸が切れてしまうことがあります。

本返し縫いが向いている素材・用途

  • 綿・麻などの平織り布(Tシャツ素材以外)
  • デニム・帆布などの厚手布
  • バッグ・ポーチの縫い合わせ
  • ズボンの股や膝まわりの補強
  • 毎日洗濯するマスクや巾着

本返し縫いが向いていない素材・用途

ニット素材に本返し縫いを使うと、布が伸びたときに糸だけが耐えられず切れてしまいます。この場合は「半返し縫い」か、伸縮性のあるウーリー糸を使った手縫いが適切です。厚い布か薄い布かだけでなく、「伸びる素材かどうか」という視点が原則です。

また、「本返し縫い=裏側が汚い」という点も知っておきましょう。裏側では糸が重なり合うため、見た目があまりきれいになりません。そのため、裏側が人目に触れる作品では、縫い代の仕上げ方を別途考える必要があります。

参考:手縫いとミシン縫いの素材別の使い分けを解説

【手縫い】本返し縫い・半返し縫いのやり方と用途【強度UP】

手縫いの本返し縫いが活きる独自視点:「ほつれ補修」こそ真の出番

本返し縫いの使い方として、作品を「一から作る場面」ばかりが紹介されがちです。しかし実際のところ、本返し縫いが最も力を発揮するのは「すでにあるものの修繕・補修」という場面です。

ミシンで縫われた既製品の洋服は、1か所でも糸がほつれると連鎖的にほどけていく構造になっています。これはミシン縫いが上糸と下糸のループで成立しているためです。一方、本返し縫いで手縫い補修すると、各針孔に糸が2本交差して通るため、1か所が切れても他の縫い目には影響しません。

修繕に本返し縫いを使うときの手順は次のとおりです。

  1. ほつれた箇所の糸を1〜2針分ほど引き抜いてきれいにする
  2. ほつれた部分の端から2〜3mm内側から縫い始める(既存の縫い目と重なるよう)
  3. 本返し縫いで縫い進め、元の縫い目の端より2〜3mm先まで縫う
  4. 表から見たとき、元の縫い目と同じ見た目になるように仕上げる

修繕に使う糸は、元の縫い目の色に合わせて選ぶことが大切です。ユザワヤやホビーラホビーレ等で購入できる「ポリエステル手縫い糸60番」はカラーバリエーションが豊富で、既製品の補修糸として使いやすいです。

また、修繕前にほつれ止め液(例:クロバーの「ほつれ止め液」)を縫い始め・縫い終わり部分に少量塗布しておくと、玉結びが取れにくくなります。これは使えそうです。

ほつれを見つけたとき、すぐに本返し縫いで直せる人と、放置してさらに大きく裂けてしまう人では、衣服の寿命が大きく変わります。修繕目的での本返し縫いを知っておくだけで、洋服1着を何年も長持ちさせることができます。これがこの技法の本当の価値です。

参考:ほつれ止め液の使い方と補修全般についての情報

なみ縫い・半返し縫い・本返し縫いの仕方(手縫い)| nunocoto fabric



商品名