3dプリント依頼の相場と費用を左右する要素を徹底解説
「相場がわかっても、見積もりより2倍以上の請求が届いて後悔した話があります。」
<% index %>
3dプリント依頼の相場は「素材」で最大5倍変わる
3dプリント依頼の相場は、一般的に数千円〜数十万円と言われていますが、この幅の広さには明確な理由があります。その最大の理由が「素材(材料)の選択」です。
同じサイズ・同じ形状のフィギュア(幅50mm×高さ150mm×奥行き63mmほど、はがきを三つ折りにしたくらいの大きさ)を作る場合でも、以下のように価格が変わります。
| 素材 | 参考価格 | 特徴 |
|---|---|---|
| ナイロン樹脂 | 約13,000円 | 安価で頑丈、試作品・工業部品向き |
| ゴムライク樹脂 | 約6,000円 | 柔軟性あり、ゴム製品の試作向き |
| フルカラー樹脂 | 約22,000円 | 色鮮やかな仕上がり、フィギュア向き |
| 透明樹脂 | 約65,000円 | ガラス調で割れにくい、照明・医療向き |
ナイロン樹脂(約13,000円)と透明樹脂(約65,000円)では、同じ形状でも約5倍の差が生じます。つまり、素材を選び間違えると5倍の出費になるということです。
ただし「安いから」という理由だけで素材を選ぶのは危険です。用途に合っていないと、仕上がりがイメージと大きくかけ離れることがあります。素材ごとの特徴と価格を理解したうえで選ぶのが原則です。
また、造形方式(FDM・SLS・SLA・MJFなど)によっても費用は変わります。RICOHの出力サービスを例に挙げると、ABS-M30(FDM方式)で45,100円のところ、PA12(SLS方式)では90,200円と約2倍の差があります。これは使用する機材の設備費や加工の難易度が異なるためです。素材と造形方式はセットで確認するのが基本です。
参考:3Dプリント素材ごとの価格差について詳しく解説されています。
素材ごとにこんなに違う!3Dプリント出力費用について|モデリー
3dプリント依頼の費用内訳:「見積もり額=総費用」ではない
3dプリント依頼で思わぬ出費が発生するケースの多くは、費用の内訳を正確に把握していないことが原因です。総費用は以下の3つで構成されています。
- 3Dデータ作成費用:3Dデータを持っていない場合に発生。スマホケースなら45,000円〜、複雑な展示モデルなら100,000円以上になることも
- 3Dプリント費用(造形費):材料費+造形時間が含まれる費用。相場の主体となる部分
- オプション費用(後加工):研磨・塗装・接着などの後処理。研磨だけでも15,000〜50,000円(サイズ・用途により異なる)
3Dプリント費用だけを確認して依頼すると、データ作成費やオプション費が後から加算され、当初の見積もりより大幅に高くなることがあります。これが痛いところです。
特に気をつけたいのが「3Dデータを持っていない場合」の依頼です。自分でCADソフトやモデリングソフトを使ってデータを作れる人は問題ありませんが、「イラストや写真から立体物を作ってほしい」という依頼では、データ制作費が別途かかります。データ制作費用だけで数万円〜十数万円になることも珍しくありません。
依頼時には「プリント費+データ費+オプション費」の3点セットで確認するのが基本です。業者によっては初回見積もりにオプション費用が含まれていないケースもあるので、「仕上げ加工は含まれていますか?」と一言確認するだけでトラブルを防げます。
3dプリント依頼の相場を用途・サイズ別に把握する
用途とサイズは、相場を決める二大要素です。どんなものを作りたいのかによって、費用の目安が大きく変わります。
まずサイズについて。アルテック社の参考価格を例に挙げると、同じ素材(ABS)でも以下のような価格差があります。
| サイズ | 参考価格 |
|---|---|
| 小サイズ(100mm以下) | 31,000円〜 |
| 中サイズ(300mm以下) | 69,000円〜 |
| 大サイズ(1,000mm以下) | 330,000円〜 |
100mm(はがきの短辺ほど)と1,000mm(一般的な机の高さ程度)では、約10倍以上の価格差があります。サイズが大きくなるほど、使用する素材の量・造形時間・装置規模がすべて増加するためです。
用途による違いも見逃せません。試作品(プロトタイプ)の場合は高精度が必要なケースが少なく、コストを抑えた材料を選べます。一方で展示会用の製品模型は見栄えが重要となるため、塗装・研磨・組み立てが加わり、数十万円〜数百万円になることもあります。
具体的な用途別の目安は以下のとおりです。
| 用途 | 費用目安 |
|---|---|
| スマホケース・小型アクセサリー | 数千円〜1万円程度 |
| フィギュア・試作品(中型) | 1万〜5万円程度 |
| 機能部品・精密パーツ | 1万〜10万円以上 |
| 展示会用モデル・大型造形物 | 数十万円〜 |
これはあくまで目安です。同じ「フィギュア」でも、ナイロン素材と透明樹脂では価格が5倍変わることを思い出してください。用途とサイズを組み合わせて考えることが大切です。
参考:3Dプリントサービスの価格相場と費用削減のポイントについて詳しい情報が掲載されています。
3Dプリントサービスの費用相場と発注費用を抑えるコツ|SOLIZEオンライン3Dプリント
3dプリント依頼の費用を安くする4つの実践テクニック
相場を知ったうえで、さらに費用を抑える工夫があります。実践しやすい方法を4つ紹介します。
① 素材をナイロン樹脂(PA12)にする
産業用3Dプリント素材のなかで最も安価な部類に入るのが、ナイロン樹脂(PA12)です。強度・耐久性が高く、自動車部品の試作に使われるほどの実用性があります。試作品の段階では十分な素材です。価格重視ならまずナイロン樹脂を検討するのが原則です。
② 造形物を空洞化(肉抜き)する
3Dプリントの費用は「使用する材料の体積」で大きく変わります。内部が詰まった形状を空洞化(肉抜き)するだけで、材料費を大幅に圧縮できます。ナイロン樹脂など粉末造形方式の素材は特に、中を空洞にしても外観や強度を保ちやすいという特性があります。空洞化は費用を抑えたいときの定番手法です。
ただし、空洞化すると強度が落ちる場合があります。強度が必要なパーツの場合は、空洞部分に補強リブを追加する設計が必要です。業者に相談しながら進めましょう。
③ 複数のパーツを1データにまとめてプリントする
複数のパーツを別々に発注すると、毎回の段取り費用や造形時間が増えます。1つのデータファイルに複数のモデルをまとめれば、1回の造形で完了します。たとえば4つのパーツを別々に依頼するのではなく、1ファイルにまとめて一括依頼することで、全体コストを下げられる可能性があります。これは使えそうです。
④ 造形方式をFDMにする(形状確認程度の試作品に限る)
材料押出方式(FDM)は、各造形方式のなかで材料単価が最も安い部類です。細部の精度より「形状の確認」が主目的の場合は、FDM方式を選ぶことで費用を抑えられます。ただし、精度が必要なパーツや見栄えが重要な成果物にはFDMは向かない点に注意が必要です。
コスト削減の方法は複数あります。どれか一つではなく、組み合わせて取り組むと効果が高まります。
3dプリント依頼で後悔しない業者の選び方【独自視点:「保証対応」を必ず確認する】
業者選びで価格や納期ばかりに目が行きがちですが、見落とされやすい重要ポイントが「造形失敗時の保証・フォロー体制」です。安価なサービスを利用した場合、明らかな造形失敗品が届いても定型文の返答しかもらえないケース、再制作・返金に応じてもらえないケースがあると報告されています。
造形物の品質を左右するのは機材だけではありません。熟練した技術者が在籍し、失敗時の対応が明確かどうかが、トータルのコストに直結します。業者を選ぶ際は以下の点を確認しましょう。
- サポート体制:相談窓口があるか、担当者が専門知識を持っているか
- 保証内容:造形失敗・品質不良時の再製作・返金ポリシーが明示されているか
- 納期の信頼性:最短翌日〜標準3日などの実績があるか
- 対応素材の豊富さ:希望の素材に対応しているか
主な代行業者の特徴を以下にまとめます。
| 業者名 | 特徴 | 納期目安 |
|---|---|---|
| 3Dayプリンター(株式会社メルタ) | データ作成から後加工まで一貫対応、最短翌日納品 | 最短翌日〜標準3日 |
| SOLIZEオンライン3Dプリント | 1990年から30年以上の実績、自社保有プリンター30台超 | 最速3日後発送 |
| JMC | 年間取引約2,700件、2時間以内見積もり回答 | 最短翌日発送 |
| DMM.make | 素材種類豊富、Web完結で個人にも使いやすい | 案件により異なる |
| キンコーズ・ジャパン | 専門スタッフによる対面相談が可能 | 最短2営業日 |
初めて依頼する場合、実績が豊富で問い合わせ窓口が充実した業者を選ぶことで、トラブルを未然に防ぎやすくなります。「安さ」だけで選ぶと、造形失敗時のリカバリー費用が余計にかかり、かえって高くつく可能性があります。
参考:主要3Dプリントサービスの比較・選び方について詳細に解説されています。